オーストリアのワイン

土壌、気候、品質

土壌

土壌はワインを形づくり、特徴と品質を決定づける主要な要因のひとつである。

オーストリアのプドウ園には、多種多様な土壌がある。例えばヴァインフィアテルでは、ドナウタール同様、レス土が中心である。クレムス、ランゲンロイス、ヴァッハウでは原生岩層が支配的、テルメンレギオンは主に石灰質である。プルゲンラント州の中だけでも非常に変化に富み、粘板岩(ライタ山脈沿い)やローム、泥灰岩、レス土から純粋な砂岩まで様々である。シュタイヤーマルクは褐色土と火山灰層(クレッヒ地方)が中心である。

気候

春の発芽から秋の落葉までの生育期聞は、品種によって異なるもののおよそ200日間に及ぶ。オーストリアの大部分におけるプドウ栽培地域の特徴は、暑く天気のよい夏と長く穏やかで、夜は冷え込む秋である。年間隆水量は東部で400ミリ、シュタイヤーマルクの栽培地域では所によって800ミリ以上にまで達する地域もある。栽培地域の気候への影響力が最も大きいのは、放射熟を発し、寒暖差を調整する役剖をもつドナウ川と、晩秋、湖沿いにベーレンアウスレーゼやTBAのプドウの実が熟する大きなノイジードラーゼー(湖)である。標高も大切な要困で、ほば標高200メートル前後が一般的だが、ニーダーエースタライヒ州では400メートルの高さまで開墾された畑もある。最も標高の高いプドウ産地は、シュタイヤーマルクのサウサールにある(キッツエック、サンクト・アンドレでは540〜560メートルのところでプドウが栽培されている)。 

栽培地域は、全体に極端な温度差のない、温暖な気侯帯にあり、緯度にすると北練47〜48度で、フランスのプルゴーニュ地方とほぼ同じ高さである。(目安として、ウィーン南部のバーデンはちょうど48度線上にある。) 

品種

オーストリアではプドウの品種も非常に多く、土壌や気候の多様性にうまく対応していることが伺える。主要なものだけでも、白ワインの品種で約20種、赤は10種ある。総作付け面積の77%に自ワインの品種が栽培されている。しかし赤ワイン品積の栽培面積(23%)は近年増加傾向にある。主要品種とその作付け面積率は次の通りである。 

白フインの品種

グリューナー・フェルトリーナー[37%]

特徴のあるスパイシーなプーケは、典型的な「ペッパー香」が多い。フレッシュで溌刺とした才一ストリア独特の晶種である。

リースリング(ラインリースリング/ヴァイサー・リースリング)[2.6%]

エレガントで含みのある香りは、核果(桃類)を思わせる。純粋で繊細、古典的な果実味。

ヴェルシュリースリング〔9%〕

淡く、ほのかで上品なリンゴのアロマ。軽やかで、たいていスマートな味覚構造。すっきりした離味が持ち味。

ヴァイサー・プルグンダー(ピノ・プラン)[5%]

密度の濃いアロマはナッツを思わせる。しっかりしたつくり。バランスもよく、調和が取れている。

シヤルドネ(モリオン/ファインプルグンダー)[0.6%]

青リンゴを思わせる、溌剌とした果実香。繊細な酸をもつ、フレッシュでキリリとしたワイン。 

このほかにもオーストリアワインの多様性を反映して、以下のような白ワインの品種が栽培されている。ソヴィニョン・プラン、ノイプルガー、ミュラー・トゥルガウ、ブヴィエール、フリュローター・フェルトリーナー、ムスカート・オットーネル、ローター・フェルトリーナー、ロートギプフラー、ルーレンダー、トラミーナ、ツィアファンドラー。 

赤ワイン品種

プラウアー・ソヴァイゲルト(ロートプルガー)[8%]

コクがあり、力強い。ややスパイシー、フルポディーでタンニンも多い。

心地よい離味。

プラウフレンキッシュ [5%]

力強いが、タンニンは少なめ。男性的で。ビロードの感触。

プラウアー・ポルトギーザー[5%]

フルーティーでマイルド。酸が少なめで、アルコール度も低い。

 

才一ストリアワインの多様性を反映して、他にも以下のような赤ワインの品種が栽培されてる。ブラウアー・プルグンダー、プラウアー・ヴィルトバッハー(シルヒャー)、カベルネ・ソヴィニョン、カベルネ・フラ

ン、ザンクト・ラウレント。

 

ワインの里 オーストリア

4栽培地方

16栽培地域

オーストリアは、よくまとまったワインの里である。ブドウ栽培は、ニーダーエスタライヒ州、プルゲンラント州、シュタイヤーマルク州、そして首都ウィーンに集中している。

各州には全部で16の公認栽培地域がある。およそ5万へクタールの畑で約4万軒のワイナリーがプドウ栽培を行っており、そのうち6500軒が瓶詰めまて自家で行っている。それ以外の栽培農家は、取獲したプドウをワイン共同組合や、醸造会社に売却している。 

およそ30万へクタールが、ヴァッハウ、クレムスタール、カンプタール、トライゼンタール、ドナウラント、ヴァインフィアテル、カルヌントゥム、テルメンレギオン各栽培地域を擁するニーダーエースタライヒ州に属する。 

プルゲンラント州では1万6千ヘクタール弱がプドウ栽培に使用されている。そこには栽培地域として、ノイジードラーゼー、ノイジードラーゼー=ヒューゲルラント、ミッテル(中)プルゲンラント、ズュート(南)プルゲンラントがある。 

シュタイヤーマルク州では約3600ヘクタールでブドウが栽培されており、ズュート(南)シュタイヤーマルク、ズュートオスト(南東)シュタイヤーマルク、ヴェスト(西)シュタイヤーマルクの各地域に別れている。 

ウィーンはいくつかの区を合わせると、600へクタールのプドウ栽培面獲をもっている。 

栽培地域

ニーダーエースタライヒ州(30,684ヘクタール) 

ヴァッハウ(1,350ヘクタール)@メルク市とクレムス市を結ぷ組長いドナウ渓谷は世昇でも最も美しい景観を呈する河川流域である。傾斜の急な原生岩の段々畑では主にグリューナー・フェルトリーナーとリースリングが育つ。 

クレムスタール(2,214ヘクタール)Aクレムスタールには、療生岩や粘土といった古典的な土壊がある。ここではとくに香り高く、果実味かしっかりしたエレガントな白7インができる。 

カンプタール(3,858ヘクタール)Bカンプタールの大部分は、ロームとレス土だが、原生岩もその名残を残している。グリューナー・フェルトリーナーやリースリングがここの伝続的な品種である。 

トライゼンタール(713ヘクタール)Cトライゼンタールは、ザンクト・ペルテン市からドナウに注ぐトライゼン川の流域に広がっている。砂岩のレス土では、主としてフルーティで軽やかな自ワインができる。 

ドナウラント(2,755ヘクタール)Dドナウラント地域はクレムス市の東からクロスターノイプルク市までのドナウ流域にある。レス土と石灰岩を合む土壊には、非常に典型的で特徴のある赤、白ワインができる。 

ヴァインフィアテル(16,263ヘクタール)E才一ストリア最大で最北部に位置するこの栽培地域は、フェルトリーナーの里と呼んでもいい所である。プドウ囲の50%に才一ストリアを代表するこの品種が植わっている。土壌はレス土と黒土である。 

カルヌントゥム(1,012ヘクタール)Fカルヌントゥムは、ゲッテルスプルン村、へーフライン村、プレレンキルヒェン村を中心とする地域である。ノイジードラーゼー(湖)とドナウ川の影響で、プドウ栽培に適した気侯に恵まれている。ローム、砂岩、砂利とレス土が中心。 

テルメンレギオン(2,519ヘクタール)Gテルメン(=温泉)の名前が示すとおり、この地域には火山脈が流れている。温暖な気候と重い砂利混じりの石灰層が特徴の「ズュートバーン(国鉄南本線)」沿いでは、力強い白ワインとコシのある赤ワインができる。

 

栽培地方

ブルゲンラント州(16,030ヘクタール) 

ノイジードラーゼー(8,332ヘクタール)I栽培地域ノイジードラーゼーは、典型的なパノニア気侯のお陰で、赤白ワインともに優秀な品質を誇っている。秋の比較的強い日差しとポトリティス苗が、高級貴腐ワインのプドウを育む。 

ノイジードラーゼー=ヒューゲルラント(5,349ヘクタール)J栽培地域ノイジードラーゼー=ヒューゲルラントはその多様性で知られる。自由都市ルストは、プレディカートワインの産地として最も長い伝統を持つ。土壊はレス土、砂岩、ローム、黒土が中心。 

ミッテル(中)ブルゲンラント(1,912ヘクタール)Kこの美しい丘陸地帯では、ローム黒土に才一ストリアでも特に優れた赤ワインが数多く生産される。オーストリアの代表的な赤の品種は、プラウフレンキッシュである。 

ズュート(南)ブルゲンラント(437ヘクタール)Lオーストリアで最も小さなこの栽培地域は、人里を離れ、静かで純朴な風景が大きな魅カである。砂や粘土の混しったロームの土壌を持つ、この牧歌的なワインの里では、赤白ともに独特の未わいを持つワインができる。

 栽培地方

シュタイヤーマルク州(3,663ヘクタール) 

ズュートオスト(南東)シュタイヤーマルク(1,230ヘクタール)Mズュートオストシュタイヤーマルクは、乾燥したパノニア気侯と湿った地中海気侯の端境に位置する。火山の風化土や重いローム層の土壌では、主に果実味を持ち味とする白ワインができる。 

ズュート(南)シュタイヤーマルク(1,902ヘクタール)N丘陵が多く魅カ的なこの地域では、南欧の気侯の影響を受けており、そのワインはフルーティでフレッシュな味わいで知られている。傾斜の急な緑の丘陵には、ヴェルシュリースリング、ソヴィニョン・ブラン、そしてモリ才ンが栽培されている。 

ヴエスト(西)シュタイヤーマルク(531ヘクタール)O酸のしっかりしたシルヒャーが、この小さなシュタイヤーマルクの栽培地域の特産品である。リギスト村からアイビスヴァルト村までのシルヒャーワイン街道沿いは片麻岩や粘板岩を含む土壌をもち、最高の品質を生み出す。 

栽培地方

ウィーン(620ヘクタール) 

ウィーンHウィーン市は、経済的に意味を持ったワイン生産を世界で唯一行っている大都市である。栽培地方と地域を兼ねており、その土地柄はプドウ栽培に最高の条件を備えている。土壌は粘枚岩、砂利、レス土、ロームが中心である。 

すぺて、法に準じて

オーストリアのワイン法の基準は、EUのワイン法である。この法律の骨格となっているのは、プドウ原産地の管理、ヘクタール当たりの取獲生産量の制限、品質等級と品質管理である。大きく分けて以下の3等級があり、それぞれ基準か異なる。ターフェルヴァイン、クヴァリテーツヴァイン、プレディカーツヴァイン。種々の更に細かい等級分けは、クロスターノイプルガー・モストヴァーゲ(KMW)で表示される果汁の糖度で決まる。才一ストリアでは、ラントヴァイン、クヴァリテーツヴァイン、そしてプレディカーツヴァインに、へクタール当たりプドウでは9000キロまで、ワインでは6750リットルまでの生産限度が課されている。

オーストリアのクヴァリテーツヴァイン、プレディカーツヴァインは、国によって二董の検査が行われている。ラベルの国家検査番号と赤白赤のシールが、この厳しい品質管理検査に合格した証しとなっている。 

品質等級詳細について

夕一フェルヴァイン:最抵10.6度KMW.

ラントヴァイン:最低14度KMW.

クヴァリテーソヴァイン:最抵15度KMW.

カビネット(ヴァイン):最砥17度KMW.

プレデイカートヴァイン:(シュペートレーゼからTBAまでとアイスヴァイン、シュトローヴァイン)

補糖の禁止。 残糖分は、完全発酵後の残留分であること。プドウ果汁を加えること(ドイツにおけるズュースレゼルヴェ      SuBreserve)もオーストリアでは許されない。

シュペートレーゼ:最抵19度KMW.

アウスレーゼ:最抵21度KMW.

ベーレンアウスレーゼ(BA):最抵25度KMW.

アウスブルソフ:最低27度KMW. 

トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA):最抵30度KMW. 

アウスレーゼ以上のワインは、その等級に準じて過熟、貴腐プドウの実の比率が高くなる。

アイスヴァイン:最低25KMW。プドウの実が収獲かつ圧搾時に凍っ

た状態でなければならない。

シュトローヴァイン:最低25KMW。最抵3カ月以上ワラもしくはョシの上で干すか、もしくは紐でつるして空気乾燥させたプドウの実から作られたワイン。

 糖分換算表

エクスレ

KMW

ボメー

エクスレ

KMW

ボメー

73

15.0

9.8

105

21.0

13.7

84

17.1

11.2

127

25.0

16.3

94

19.0

12.4

 

 

 

 残糖分(RZ)

トロッケン Trocken最高9gRZ/リットルまで(酸のトータルとの差が2g/リットル未

満であること)。[]残糖8g/リットルのワインを「トロッケン」と称するには、酸か少なくとも6g/リットル(プロミル)なくてはならない。

エクストラトロッケン extra Trocken最高4g/リットルまでの残糖

ハルプトロソケン halbtrocken最高12g/リットルまでの残糖

リープリソヒ Lieblich最高45g/リットルまでの残糖

ズュース suB45g/リットル以上の残糖